離婚時の財産分与で不動産を渡すときの注意点
夫婦の共有財産として購入した自宅などの不動産は、離婚時の分与対象となり得ます。たとえば、妻が居住を継続する目的で自宅の所有権を夫から譲り受けるケースや、複数所有する不動産を夫婦で分け合うといったことが考えられます。
しかし、不動産を財産分与として扱う際には、税金面への影響や登記手続き、ローンの引き継ぎなど、さまざまな観点から慎重な検討を行う必要があります。そのために押さえておくべきポイントを詳しく見ていきましょう。
注意点①不動産の価値を正確に把握しておく
不動産が財産分与の対象となるときは、「不動産の価値を正確に把握すること」を忘れないようにしてください。公平な財産分与を行うために不可欠です。
不動産の価値を把握する方法には次のようにいくつかあり、組み合わせながら評価することも可能です。
- 実勢価格(時価)のチェック
・・・実際の市場で取引される場合の価格を反映した実勢価格を調べる。不動産会社に査定を依頼したり、近隣の類似物件の取引事例を参考にしたりすることで、おおよその価格が調べられる。 - 公示地価や基準地価のチェック
・・・国や都道府県が公表する公示地価、基準地価を確認し、土地の価値についての目安を知ることができる。 - 固定資産税評価額のチェック
・・・固定資産税納税通知書に記載の評価額を確認。1つの指標として活用できるが、この価額は実勢価格より低く設定されることが多いため参考程度に留めるべき。 - 不動産鑑定士によるチェック
・・・より正確な価値を調査するには、不動産鑑定士への依頼が有効。専門的な知見に基づく評価を受けることができ、より詳細、より客観的な評価をしてくれる。
正確に不動産価値を把握することが公平な財産分与を実現させ、将来的なトラブルの予防にもつながることでしょう。高額な資産である不動産だとわずかな確認漏れが大きな金額の差につながる可能性があるため、慎重に評価を行うことが重要です。
注意点②住宅ローンの処理方法
財産分与を行う段階でまだ住宅ローンが残っているときは、その処理方法についても十分注意しなくてはなりません。
「名義人が済み続けるケース」であれば、そのまま返済を継続すれば問題ありません。
ただし、配偶者が連帯保証人であるときは離婚後もその責任が残ります。名義人の返済が滞ると元配偶者にも請求が来る可能性があるため、連帯保証人から外れる手続きを検討しましょう。
また、不動産が夫婦の共有名義であるときは、住み続ける人の単独名義に変更したほうが良いです。共有名義のままにしておくと、将来的に家を売却しようと思っても元配偶者の許可が必要になるなど手続きが煩雑になってしまいます。
一方、「名義人ではない方が住み続けるケース」だと名義人に支払ってもらうという選択肢もありますが、名義人にこれを受け入れてもらうにはたとえば名義人に対して住宅ローン返済額相当を家賃として毎月支払うなどの提案をする必要があるでしょう。ただ、この場合でも名義人が支払いを継続する保証がないため、不安定な状況が続くというリスクがあります。そこで、新たに住宅ローンを組み直して名義を変更することも検討しましょう。
注意点③不動産登記による名義変更を忘れない
財産分与によって建物や土地の所有者が変わった場合、名義変更の手続きとして「登記申請」を行うことも忘れないようにしましょう。
法律上の義務ではないものの、登記で所有権の移転を登録しておかなければ第三者に対して名義人が「これは私のものです。」という主張をするのが困難になってしまいます。これに附随して、当該物件を後々売りたくなっても名義人であることの証明が難しいことから契約が難航する危険性が高いといえます。
注意点④税金の負担も考慮すること
不動産の取得や譲渡、保有をするだけでも税金はかかり続けます。たとえば不動産を無償で譲り受けた方には「贈与税」などが通常は課されます。
しかしながら、財産分与は夫婦間の財産関係を単に清算しているだけとも考えることができ、その場合には贈与税は課されません。
ただ、絶対に課税がないわけではないことに注意が必要です。財産の清算が行われただけ、と評価できない程度に偏った財産分与(不動産を受け取る側に過大な利益がある場合など)だと贈与税が課される可能性もあります。
財産の移転時期にも注意してください。離婚前に不動産の所有権を移していると財産分与としてではなく単に贈与を行ったものと評価されて贈与税が課されてしまうかもしれません。
また、財産分与に慰謝料の支払いの意味合いが含まれている場合や扶養の目的が含まれている場合には「不動産取得税」が課されることもあります。
このように、不動産の財産分与に関する税金の取り扱いは複雑です。個々の状況によって異なる場合もあるため、課税の有無や金額の計算などは税理士に相談することをおすすめします。
注意点⑤公正証書を作成すること
最後に、不動産やその他の財産も含めてすべての財産分与に関して方針が定まれば、その内容を形に残しましょう。証拠として使えるようにしておくのがその目的ですので、書面(紙)でも電磁的記録でもかまいませんが、より安全性と実効性を確保するために「公正証書」として作成することをおすすめします。
公正証書は、公証役場にて公証人に作成してもらう公文書のことで、当該文書に執行承諾文言を入れておけば裁判で確定判決を得たのと同じ執行力を持たせることができます。
つまり、「万が一相手方が約束通りの行為をしてくれなかったとしても、その後手間のかかる裁判手続きを行うことなく強制執行が可能になる」ということです。
ただし、公正証書作成は強制できる手続きではありません。前もって公正証書に記載する内容を十分検討すること、公正証書の作成について当事者間での了承が得られていることが重要です。そのためにも冷静に話し合い、建設的な話し合いができる状況を作っておかないといけません。
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