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被相続人の車にも相続税はかかる!税額の計算方法や手続きについて

被相続人が所有していた車も相続財産として相続税の課税対象となります。

車に特有の相続税評価額の計算方法があるわけではないものの、評価結果には根拠がなくてはなりません。

正しく相続税申告を行うためにも、車の適切な評価方法を理解し、正確な金額を申告できるように備えましょう。

車も相続税の対象

被相続人が保有していたほとんどすべての財産は相続の対象となり、その方の配偶者や子どもなど、相続人となった方は当該財産を承継することになります。

 

そして相続した財産のうち経済的価値を持ち金銭に置き換えることができるものについては、相続税の課税対象にもなります。

実際のところほとんどの財産は課税対象であるため、相続を契機に親族等が取得した財産はすべて把握しておく必要があります。

 

車も例外ではありません。相続税課税の観点からは一般動産として扱われ、このときの評価においては5万円を超えるなら一つひとつを評価していかなければなりません。そこで、特に被相続人が高級車を所有していたケースや複数台所有していたケースでは、相続税の額への影響度合いも大きくなる可能性がありますので要注意です。

申告や名義変更の手続き

相続税の申告は、相続税申告書を作成して期限内に税務署へ提出することで行います。

 

申告書にも第1表~第15表までの種類があり、さらに添付書類なども用意しなくてはなりません。

その全種の作成が必須ということではありませんが、特例の適用や状況に応じてさまざまな書類の準備が必要となります。
期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月とされており、それまでに納付も済まさなくてはなりません。

 

また相続人が複数いるときは、申告の前提として遺産分割協議で車等の所有者を決める必要があります(遺言で指定されているときはその内容に従う)。そして車に関しては運輸支局にて名義変更の手続きも進めます。

車の相続税評価額を調べる方法

車は一般動産として評価しますので、相続開始時(被相続人が亡くなった日)の時価を基準に算定されます。

評価方法には以下で示すようにいくつかの種類がありますが、基本的には「売買実例価額」または「精通者意見価格」を採用します。

売買実例価額による評価

売買実例価額とは「中古車市場で売買されている価格」、より厳密には「相続開始日に売った場合の換金価値」を指します。

 

中古車販売サイト等から車種や年式、走行距離などが似た車を探し出し、その取引価格をもとに相続税評価額を算定するのです。

 

ここで重要なのは、取引価格をそのまま相続税評価額として採用するのではなく、「実際に中古車として業者に買い取ってもらった場合の買取価格」を調べる必要があるということです。取引価格には販売業者の利益が含まれているため、そのままだと高めの評価となってしまい、相続税申告者にとっては不利な評価となってしまいます。

精通者意見価格による評価

精通者意見価格による評価とは、自動車に対する専門的知識を持つ者(精通者)の意見に基づいて評価額を決定する方法をいいます。

車の査定を行っているディーラーや中古車買取業者等に見積もりを依頼し、その査定金額を相続税評価額として採用するのです。

 

精通者意見価格による評価はより信憑性も高く、その車個別の状態も反映した価値を知ることができるため、税務署からの指摘も受けにくくなります。

減価償却方式による評価

減価償却方式による評価は、取引事例が少なく専門家による評価も難しいような例外的なケースで採用される傾向にあります。

※売買実例価額や精通者意見価格の方が、その車の実際の市場価値を正確に反映することができるため、特段の問題がなければ売買実例価額や精通者意見価格により相続税評価額を算出した方が良い。

 

計算方法としては、新車としての取引価格から経過年数に対応した償却費を差し引いて評価額を算出します。償却費は税法上の法定耐用年数に応じて決定し、車の場合、通常は46年の耐用年数が適用されます。

 

なお、年式も古くほとんど価値がつかず、相続税評価額が0円となることもあります。

自動車ローンがある場合の相続税評価額

被相続人が車の購入に際してローンを組んでいた場合は、ローン残債を遺産総額から「債務控除」します。

借金などの負債があるときも同様で、マイナスの価値を持つ財産が残っているときは、その分を差し引いて相続税の計算を行うのです。

 

仮に課税対象となる財産の相続税評価額の合計額が5,000万円、ローンなどの債務の総額が1,000万円だとすれば、債務控除によって4,000万円(=5,000万円-1,000万円)を対象に相続税の計算を進めることになります。

車の相続税評価額がわかったあとの計算

相続税の計算においては、財産一つひとつについて相続税評価額を調べる必要がありますが、財産単位で税額を算出するわけではありません。課税対象の財産をいったん合計し、「相続税の総額」を算出してから各人の相続税額を計算しないといけません。

 

そして相続税の総額を算出する過程では、税率を適用する前に基礎控除[3,000万円+600万円×法定相続人の数]が適用されますので、基礎控除により課税価格および相続税額が0円となることもあります。

 

そのため、相続したのが高級車で相続税評価額が大きな金額になったとしても、その他の財産がほとんどなければ相続税の負担は生じません。反対に、車の相続税評価額が少額でも、ほかに多くの財産があるのなら車の価額分も合計した相続税の負担が発生するということです。

 

相続税の計算は複雑で、特例・控除制度の適用要件なども確認していく必要があり、一般の方が対応するのは大変な作業となるでしょう。

計算の前提として、車などの財産に対する評価も必要となりますので、それらの対応は税理士に相談することが推奨されます。

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  • 所属団体
    • 東京税理士会京橋支部
    • 全国宅地建物取引業協会連合会
  • 経歴
    • 昭和63年株式会社伊勢丹
    • 平成4年税理士国家試験 合格
    • 平成9年株式会社タクトコンサルティング
    • 平成19年独立「薬袋税理士事務所」開業

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