相続税を申告するための必要書類| 申告書や本人確認書類、財産別の添付書類など
数千万円以上の遺産があるとき、相続税の申告義務が生じる可能性があります。
申告が必要となる場合は、税額の計算結果等を記入した相続税の申告書を作成するほか、多数の書類を準備しないといけません。
ここで相続税申告に関する必要書類について紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
なお、すべてご自身で対応する必要はありませんので、不安のある方は税理士に相談すると良いでしょう。
相続税の申告書と添付書類の準備が必要
相続税の申告をするには、10を超える表から成る申告書を作成し、記載した事柄の根拠を示すために添付書類も準備することになります。
相続税の申告書
申告書だけでも多数の書類が用意されています。記入が必要な書類は人により異なりますが、みなし相続財産の有無や特例の利用、控除の利用、債務の存在、生前贈与加算対象の財産の有無など、該当する事柄が多いほど作成すべき書類も多くなります。
課税財産について記入する「第11表」、相続財産別の価額を記入する「第15表」、課税価格の合計を記入する「第1表」、相続税の総額を記入する「第2表」など、特に重要なものだけでも複数挙げられます。
本人確認書類
申告時には本人確認も行われますので、次の表に記載した書類も準備して提出しましょう。
マイナンバーを確認する書類例 (右のいずれかを準備) |
マイナンバーカードの裏面 |
---|---|
マイナンバーの記載がある住民票の写し |
|
住民票の内容と一致している通知カード |
|
身元を確認する書類例 (右のいずれかを準備) |
マイナンバーカードの表面 |
運転免許証 |
|
パスポート |
|
在留カード |
基本的な必要書類
申告書と本人確認書類のほか、一般的に用意が必要とされる書類を次に示します。
- 被相続人の戸籍謄本等
- 相続人全員の戸籍謄本と住民票
- 遺産分割協議書の写し
- 遺言書の写し
- 印鑑登録証明書
戸籍謄本等は市町村役場で、1通につき数百円程度で発行してもらうことができます。また、相続人情報を示す(1)と(2)の書類に関しては、図形式で法定相続人等の情報をまとめた「法定相続情報一覧登録図」に代えることもできます。この図は法務局で作成できます。
状況に応じてその他必要になる書類が発生する可能性も忘れてはいけません。
財産別の添付書類について
相続税の課税対象となる財産については、別途書類の添付が求められることもあります。下表がその例です。
財産別の添付書類の例 |
|
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預貯金の場合 |
残高証明書 |
預金通帳の写し |
|
入出金明細 |
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不動産の場合 |
登記簿謄本 |
固定資産税評価証明書 |
|
課税明細書 |
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名寄帳 |
|
有価証券の場合 |
取引残高報告書 |
配当金支払通知書 |
|
保険金や退職金の場合 |
死亡保険金支払通知書 |
生命保険証書 |
|
退職手当支払計算書 |
|
債務の場合 |
借入残高証明書 |
金銭消費貸借契約書 |
|
未払いの領収書 |
常にこれらすべての書類が必要になるわけではない点に注意しましょう。特に重要なものについて次項で説明します。
預貯金に関する準備
預貯金の口座は多くの方が持っているため、ほとんどの相続で調査が必要です。
預貯金の残高を調べて相続税の計算に含める必要があるのですが、そのためにもまずは亡くなった方と取引のあった金融機関を特定しなければいけません。郵便物や通帳などから手がかりを掴みましょう。
金融機関が特定できれば、残高証明書の発行をしてもらいます。手数料はかかりますが数百円程度です。
これにより、相続開始時点における残高がいくらなのかをはっきりさせます。
また、口座情報から過去の金融機関以外との取引関係が明らかになることもありますので、預金通帳の写しも用意しましょう。
金融機関に請求して、過去数年分の取引情報を確認できる状態にしておきます。
不動産に関する準備
家屋や宅地などの不動産は相続税の負担を大きく左右する可能性があり、その存在を明らかにすること、物件の評価額を明らかにすることが重要です。
亡くなった方の所有していた物件が判明している場合は、法務局に請求して「登記簿謄本」を取得しておきましょう。
費用は1通あたり数百円程度です。
「固定資産評価証明書」「名寄帳」などを取得する場合は、市区町村役場に対して請求する必要があります。
債務に関する準備
住宅ローンなどの残債務の存在も疑い、債務の調査も進めるべきです。借入先が分かれば、借入残高証明書を発行してもらいましょう。
未納の租税公課についても調べておきます。
これら債務についての情報は、相続税の計算をする上でも必要ですが、相続に対するリスクを評価するためにも欠かせません。
預貯金や不動産、その他の財産の評価額を超える債務額が残っている可能性があり、そのような場合は相続しないという選択も検討する必要があります。そのための手続を「相続放棄の申述」といいます。
家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、これが受理されると、申述人は相続人ではなくなります。
その結果、相続する財産などはなくなり相続税の申告準備も必要なくなる可能性が出てきます。
ただし、遺贈やみなし相続財産(生命保険金など)の取得により相続税が課税される可能性は残っていますので、必ずしも申告が不要になるとは限りません。
特例・控除の利用に注意
特別な制度、特例、控除を利用するときは必要書類が増えます。
例えば「小規模宅地等の特例」や「配偶者控除」、「農地に関する相続税納税猶予の特例」「非上場株式等に関する相続税納税猶予の特例」など、さまざまな特例や控除が用意されています。
上に示した基本的な必要書類のほか、利用する特例や控除に応じて提出が求められる書類もあります。
不備のないよう、すべての書類を揃えていくには、相続税制に対する深い知識が必要です。
相続税の申告が間に合わなかったり、計算ミスがあったりすると、本来の税額から上乗せされた金額の支払いを求められることもあります。
冒頭で申し上げた通り、不安が少しでもある方は、税のプロである税理士に必要書類の準備から申告作業までを依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。
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税理士紹介Certified Public Tax Accountant
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- 所属団体
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- 東京税理士会京橋支部
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- 経歴
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- 昭和63年株式会社伊勢丹
- 平成4年税理士国家試験 合格
- 平成9年株式会社タクトコンサルティング
- 平成19年独立「薬袋税理士事務所」開業
事務所概要Office Overview
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